整骨院を自宅で開業するための条件とは?自宅開業の流れを紹介

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「自宅で整骨院を開業するための条件とは?」
「自宅開業をするうえでの注意点は?」
「自宅開業で費用を抑えられるって本当?」
「自宅開業にはどのような準備や手続きが必要か知りたい」

自宅での整骨院開業を考えている方には、このような疑問があることでしょう。
自宅での整骨院開業は、コストや時間の面でメリットが大きい一方、将来的な見通しが立てづらいというデメリットがあります。

今回は、自宅での整骨院開業について、治療院・パーソナルトレーニングの店舗運営のサポートを行っているJMTA(一般社団法人日本メディケアトレーナー協会)が解説します。

自宅開業の注意点や、必要な準備について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

  • 思うように集客できない
  • スタッフの育成が難しい
  • 競合他社との差別化が難しい

資格と施設の基準を満たせば自宅開業は可能

自宅で整骨院を開業することは可能ですが、そのためには、以下の条件をクリアする必要があります。

  1. 柔道整復師の資格を取る
  2. 施術管理者の要件を満たす(3年間の実務経験・施術管理者研修の受講)
  3. 施術所の構造設備基準をクリア

3.の構造設備基準とは、以下のとおりです。

構造設備基準●6.6平方メートル以上の専用の施術室を有すること
●3.3平方メートル以上の待合室を有すること
●施術室は、室面積の7分の1以上に相当する部分を外気に開放し得ること(ただし、これに代わるべき適当な換気装置があるときはこの限りではない)
●施術に用いる器具、手指等の消毒設備を有すること
衛生上の必要な措置●常に清潔に保つこと
●採光、照明及び換気を充分にすること

以上の基準に加え、自治体ごとに定められている指導基準に従う必要があります。
詳しくは、以下の記事をご覧ください。

自宅開業の流れ

自宅開業の基本的な流れは以下のとおりです。

  1. 資格と経験を得る
    柔道整復師の資格取得と、施術管理者要件をクリアする。
  2. 事業計画・資金計画を立てる
    自宅開業の場合でも見切り発車はNG。コンセプトやターゲット設定などは明確に。
  3. 自宅の改装
    構造設備基準をクリアするために、必要に応じて自宅購入・自宅のリフォーム等を行う。
  4. 必要な什器備品・機器を揃える
    施術ベッド・タオル・問診表などの整骨院開業に必要なものを揃える。
  5. 広告の準備
    チラシやGoogleビジネスプロフィールへの登録、ホームページの作成などを行い、整骨院の存在を認知してもらう。
  6. 各届出を提出する
    開設届・受領委任の取り扱いに関する届出・個人事業の開業・廃業届出など、各管轄機関へ届け出る。

各届出の詳細については以下の記事で解説しているので、参考にしてください。

自宅開業のメリット・デメリットは何?

自宅開業のメリットは、コストの節約とスケジュールの柔軟性が両立することにあります。

一方で、集客の難しさや不動産としての価値低下、一層の自己管理能力が問われるなどのデメリットもあり、自宅開業には慎重な検討が必要です。

それぞれのポイントについて解説していきましょう。

自宅開業のメリットはお金と時間の自由が増えること

まずは、自宅開業することの5つのメリットについて紹介します。

コストを抑えられる

自宅で開業すればテナントの取得費用や家賃がかからないため、開業コストを抑え、毎月の経費削減につながります。

通勤に時間と費用をかけずに済む

通勤の必要がなくなるので、通勤にかかる時間と交通費・ガソリン代などの費用をカットできます。
カットできた分の時間やお金を、別のことに有効活用できるでしょう。

改装費用を節約できる

テナントと比べて、自宅を利用することで改装にかかる費用を抑えられます。
物件探しや内装設計の手間も省けるので、開業の準備で忙しい中、精神的な負担も軽減できるでしょう。

現在の住まいが構造設備基準を満たしている場合には、施工費を大幅に節約することが可能です。

スケジュールが柔軟に組める

従業員で働く場合とは違い、自分のペースで仕事のスケジュールを組めます。
働き方の幅が広がることで、より仕事のパフォーマンスが向上するよう予定を組むことも可能になるでしょう。

また、急患への対応も可能となるので、地域に根差し、信頼される整骨院づくりができます。

家族との時間を大切にしやすい

自由に使える時間が増えることで、家庭と仕事の両立がしやすくなるでしょう。
育児や介護など、家族との時間を重視したい方には魅力的です。

デメリットは将来的な見通しを立てづらいこと

一方で、自宅開業には大きなデメリットもあるので注意が必要です。
これら4つの問題を考慮したうえで、自宅開業を検討しなければなりません。

テナントより集客面で不利になる

テナントに比べてどうしても立地に劣るため、集客で不利になります。
たとえば、

  • 自宅が人通りの少ない街中にある
  • アクセスが悪く通いづらい

などといった場合、

  • 地域の人にすら整骨院の存在が認知されない
  • 通いづらいので選択肢から外れる

といったことが起こり得ます。

テナントより集客しづらいことを承知の上で、工夫を凝らした集客方法を考える必要があるでしょう。

一日の施術患者数は限られる

自宅開業で集客が上手くいったとしても、一日に施術できる人数はどんなに多く見積もっても15~20人までが限界でしょう。

施術可能な患者数を増やせない分、売上は限られてきます。
そこそこの儲けで充分だという方にはいいかもしれませんが、バリバリ稼ぎたいと思っている方には自宅開業をおすすめできません。

店舗兼住宅は将来的に売却しづらい

店舗兼住宅は一般住宅より需要が少ないので、売却に時間がかかる可能性があるほか、住宅ローンの組みづらさから売れにくくなるというデメリットがあります。

また、人の出入りがあった物件は防犯上の面からも敬遠されがちです。
手放したいときになかなか手放せない、物件としての価値が下がる可能性がある点は大きなデメリットでしょう。

仕事とプライベートの区別が難しくなる

整骨院の宣伝のために自宅の住所や写真を発信したり、不特定多数の人が自宅の一部に出入りしたりすることで、プライバシーの確保が難しくなります。

住居部分と店舗部分を分けるなど、間取りを工夫することも大切ですが、仕事と生活の線引きに自信がない方にはおすすめできません。

自宅開業の際に準備が必要となるもの

整骨院開業に必須となるものは次のとおりです。

  • 施術用ベッド
  • シーツ
  • タオル
  • 問診表
  • 領収証
  • 看板

また、次のものを用意しておくことで、患者さまの顧客満足度アップにつながります。

  • 着替え
  • 荷物入れ
  • カーテンなどの仕切り
  • 音楽を流す音響設備
  • 空間を演出できる観葉植物やインテリア
  • 飲み物を提供できるウォーターサーバーや冷蔵庫など

テナントを借りる場合と自宅で開業する場合の費用比較

自宅で開業することで、開業コストをどれくらい抑えられるのでしょうか?

  • テナントを借りる場合の開業費用
  • マンション・アパートの一室を借りる場合の費用
  • 自宅で開業する場合の費用

の目安を比較して表にまとめました。

初期費用の目安
自宅で開業約10万円~
(現在の住まいの状況によって内装工事費が異なってくる)
マンション・アパートの一室を借りる100万円前後
テナントを借りる600万円~1,500万円程度

広告宣伝費・消耗品費・水道光熱費・組合費などのランニングコスト×生活費を、半年分は確保しておくと焦らずスタートできるでしょう。

自宅開業を成功させるための心得

整骨院の自宅開業を成功させるために必要な、3つの心得を紹介します。

集客活動に力を入れる

自宅を整骨院にする場合、テナントに比べて目立たないため、認知向上に努めることが大切です。

ホームページ作成やSNSなど、WEBを活用した集客で、整骨院の存在を知ってもらえるよう努めましょう。

チラシ作成や地域の情報誌やサイトに掲載してもらう方法も地域住民へのアピールに有効です。

リピート率向上に努める

新規患者の獲得は大切ですが、立地面でテナントより劣る自宅開業の場合、リピート率向上に努めることも非常に重要です。

顧客満足度を高めるためには、施術の腕はもちろんのこと、患者さまとの丁寧なコミュニケーションを意識して、信頼を得ることが大切です。

清潔感や落ち着いた環境を大切にする

「よその家にお邪魔している」感じが出てしまうと、患者さまも落ち着いて施術を受けられません。

患者さまが落ち着いた環境で施術を受けられるよう、音や臭い、私物などの生活感が漂わないように注意が必要です。
また、院内となる部屋の清掃はもちろん、外観の清潔感にも気を付けるといいでしょう。

まとめ

自宅開業と言えど、事前準備や計画はしっかり行う必要があります。
また、自分には自宅開業が本当に向いているのか、将来のビジョンを描いたうえで慎重に検討してください。

なお、自宅で開業する場合は、開業前に近隣住民へ挨拶に回りましょう。
人の出入りがあることや営業時間などを説明しておくことで、近所の方が抱く不安を和らげ、良好な関係維持に努めることも大切です。